- 2026年9月26日
関節リウマチは関節だけの病気ではありません ― 間質性肺炎(RA-ILD)とは?
関節リウマチというと、「手や足の関節が腫れたり痛くなったりする病気」というイメージをお持ちの方が多いと思います。
しかし、関節リウマチは関節だけに起こる病気ではありません。
肺をはじめ、さまざまな臓器に影響することがあり、その中でも注意したい合併症の一つが**間質性肺炎(間質性肺疾患:ILD)**です。
関節リウマチと間質性肺炎
肺は、肺胞という小さな袋を通して酸素を体内に取り込んでいます。
その肺胞の周囲にある「間質」に炎症や線維化が起こる病気を、間質性肺炎(間質性肺疾患)といいます。
関節リウマチに伴って生じるものは、**RA-ILD(Rheumatoid Arthritis-associated Interstitial Lung Disease)**と呼ばれています。
関節リウマチでは他の膠原病と比較して間質性肺炎の合併が多く、さまざまなタイプの肺病変がみられることが知られています。
どのような症状がありますか?
間質性肺炎では、
- 息切れ
- 乾いた咳
- 階段や坂道で息苦しくなる
などの症状がみられることがあります。
一方で、初期にはほとんど症状がないこともあります。
そのため、関節の状態だけでなく、呼吸器症状の有無などにも注意しながら診療していくことが大切です。
どんな人が注意した方がいい?
すべての関節リウマチ患者さんに間質性肺炎が起こるわけではありません。
これまでの研究から、
- 高齢
- 男性
- 喫煙歴がある
- RF(リウマトイド因子)や抗CCP抗体が高い
- 関節リウマチの疾患活動性が高い
- 罹患歴が長い
などが、RA-ILDと関連する因子として報告されています。
特に、関節リウマチの炎症をしっかりコントロールすることは、関節を守るだけでなく、肺を含めた全身の管理という意味でも大切です。
関節だけでなく「全身を診る」ことが大切です
関節リウマチの治療は大きく進歩し、現在ではメトトレキサート(MTX)、生物学的製剤、JAK阻害薬など、さまざまな治療を選択できるようになりました。
しかし、治療薬は「関節に一番効く薬」を選べばよいというわけではありません。
関節の炎症をしっかり抑えることはもちろん、肺の状態やその他の合併症、年齢なども考慮しながら、患者さん一人ひとりに適した治療を選択することが大切です。
実際、RA-ILDを合併した患者さんでは、関節リウマチの疾患活動性を抑えながら、肺の状態にも配慮した治療選択が重要と考えられています。
当院では
当院では、関節の診察や関節エコーだけでなく、肺を含めた全身の状態にも注意しながら関節リウマチの診療を行っています。
治療開始前や定期検査に加え、咳や息切れなどの症状がある場合には、必要に応じて胸部レントゲンなどを行い、さらに詳しい検査が必要と判断した場合には、連携する医療機関へご紹介します。
関節リウマチで通院中の方で、
「最近、階段で息切れするようになった」
「乾いた咳が続いている」
など気になる症状がありましたら、診察時にお気軽にご相談ください。